旧大沢野町(富山) 大高山(1100.1m) 2022年2月11日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 8:02 駐車場−−9:03 450m峰−−10:48 休憩 11:02−−13:01 大高山 13:21 −−14:16 450m峰−−14:29 駐車場

場所富山県富山市(旧大沢野町)
年月日2022年2月11日 日帰り
天候曇時々雪後時々晴
山行種類積雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場お寺の駐車場(除雪終点)に駐車
登山道の有無無し
籔の有無積雪で埋もれて無し
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー
山頂の展望ブナ林に覆われて悪い
GPSトラックログ
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コメント左膝大怪我後初の本格的雪山。富山県の神通川流域で最後の山。猪谷駅南側のお寺駐車場から東尾根に取り付いた。先週末は強い冬型で北陸では大雪、前日には南岸低気圧で降雪があり激ラッセル必至の状況御覚悟で出かけたが、予想通りに終始ラッセル。登り5時間に対して下りは1時間10分の所要時間でラッセルのきつさが分かるだろう。積雪にもかかわらず山頂の展望は悪い




お寺の駐車場(除雪終点) 目の前のこの植林から取付いた
積雪期は植林の中の方がラッセルが楽 標高330m付近。植林から自然林に変わる
根本に地面が見えている。積雪は1m程度か 樹林の隙間から東を見ている。上空は厚い雲に覆われる
標高400m付近。尾根上の藪を避けて左側を迂回中 標高400m付近も結構な傾斜で足元が崩れて難儀する
450m峰直下から見た南東側の送電鉄塔 450m峰の先で僅かばかりの植林帯がある
標高550m付近から山頂方向を見ている(山頂はまだ見えない) 標高620m付近。雪庇が登場
標高650m付近の目印。山頂まで点在していた 標高710m付近
標高770m付近。この深さのラッセルが延々と続く 標高780m付近
標高780m付近の二重山稜の影で休憩 標高840m付近の熊棚
標高900m付近 標高950m付近
標高980m付近の急斜面 標高1020m付近
標高1050m付近のエビのしっぽ 標高1060m付近。中央に岩のようなもの発見
岩ではなく幹が折れた枯れたブナの大木だった 標高1080m付近。山頂は近いがラッセルがきつい
大高山山頂 今シーズン初めて使用したスノーシュー
山頂で休憩中 スノーシューでの潜り具合を撮影したが真上からではいまいち分からない
山頂の自分のトレース 往路で途中休憩した場所
下山中に晴れてきた。神岡方面を見ている 南東側の送電鉄塔
標高400m付近。往路では右側(東側)を巻いた箇所 植林帯に入ればラッセルは劇的に楽になる
駐車場到着


・大高山は富山/岐阜県境付近の山で、この近辺で未踏峰はここだけとなっていた。昨年の残雪期に登頂を考えていたが、限られた残雪シーズンの中で登れる山に限りがあり、登り残しとなっていた。今はまだ残雪期ではなく積雪期で、おまけに今年は大雪続きで先週末は強い冬型で北陸は大雪となり、昨日は南岸低気圧の通過で北陸まで雪が降っており、今登ると激ラッセルが予想されるが、雪のあるシーズンは年々短くなっているので藪が雪に埋もれている時期は貴重である。ラッセル覚悟で出かけることにした。

・ルートであるが、雪のある時期はアプローチの都合上、国道41号線に面した東側か国道360号線のある南側以外に選択肢はないが、南側斜面は傾斜がきついため、東側から登るのが常套手段だろう。

・今年は積雪が例年より多く駐車場所の確保に苦労が予想されるため、ネットで事前に情報収集。大高山は雪がある時期に比較的良く登られており、いくつかの記録を見るといずれも猪谷駅南側のお寺近くを起点としていた。どうやらここに駐車可能な場所があるようだ。よってそこから直接山頂を目指すことにした。

・金曜日は南岸低気圧の影響で広範囲で降雪があり、現場まで日本海周りで行くか安房トンネル経由で行くか悩んだが、距離が短い安房トンネルとした。山間部では道路の積雪が予想されたが、予想通り旧波田くらいから路面に積雪が見られるようになり、岐阜に入り神岡の国道41号線に入るまで雪道が続いた。国道41号は除雪されて安心して走行できたが、目の前に塩カル散布車がいて車が塩カルだらけになってしまった。まあ、このおかげで安心して走行できるのだが。

・雪道でスピードが出せず時間がかかったので神岡で仮眠。翌朝に朝飯を食ってから再出発し、県境を越えて猪谷駅へ。線路下を潜る狭いトンネルを抜けてT字路を右に入り、次のT字路で左に曲がって消雪のための水が流れる急な坂を登るとお寺前を通過、その先が除雪終点でお寺の駐車場でもあった。広く除雪されており私が駐車しても邪魔にならないであろう。

・天気予報は日本海側はイマイチで今は曇って小雪がちらついている。気温は0℃前後だろうか。風はさほど感じない。防寒装備はいつもと同じ程度で大丈夫そうだが、今シーズン初めてスノーシューを使用する。今回は深いラッセルが予想されるためアイゼンは持たなかったが、代わりにストックと軽ピッケルを持った。足元は久しぶりに登山靴。今回は体力的に相当きついだろうから、いつもの防寒長靴ではなく登山靴とした(長靴は登山靴の2倍くらい重い)。久しぶりに登山靴を履いたら足の指が冷えること! 防寒長靴の効果が良く分かった。

・ネットでは2週間前の登山記録があったが、そのトレースは新雪に覆われて完全に消えていた。よって先人のルートは気にせず適当に登ればいい。目の前の斜面はどこを登っても山頂に通じているが、とりあえずは墓地がある開けた谷の左側の植林斜面に取り付くことにして雪原に足を踏み入れるが、予想通り柔雪でスノーシューでも脛まで潜るし、雪は湿って重くラッセルはきつい。山頂までの標高差は約900m弱あるが、はたして所要時間はそれくらいになるのか。この標高差なら登山道があった場合で雪が無ければ2時間15分ほどで到着するはずだが、今回はその2倍でも無理かなぁ。さすがに4倍はかからないだろうから3倍の6時間程度かな。

・過去の経験より、雪が締る前の積雪期は日当たりの良い開けた場所よりも日当たりが悪い植林の中の方が雪が締っている確率が高いことが分かっているので、今回も目の前の杉の植林帯を目指した。案の定、植林の中の方が雪の潜り方は浅くなり、格段に歩きやすくなった。ここで思いついたが、積雪期は衛星写真で植林された場所を確認してそこを登るのが正解かもしれない。今度試してみよう。ただし、植林されていない山深い場所ではこの手は使えない。

・植林の中でも傾斜がきついが、私のスノーシューは傾斜地にも対応した歯があるので滑りにくい。ストックを支えにしてぐんぐん登っていくと自然林に切り替わり、さらに傾斜がきつくなる。でも雪は締っていないのでアイゼンは不要で(そもそも今回はアイゼンは持ってきていない)スノーシューがベストの状態が続く。これなら新雪でブレーキがかかるので滑落の心配はないだろう。ただし雪が柔らかいと急傾斜で足元の雪が崩れやすく登るのが厄介だ。そんな時はガニ股気味にスノーシューを横向き(足跡は逆ハの字形)に使って接地面積を増やすのが効果的。それでも崩れるときは予め手で雪面を崩しておいてから足を進めるのが効果的だ。ただし、時間がかかるのが難点。

・尾根直上がやや藪っぽい個所は左側直下を迂回。藪はさほど深くはないが枝の上に雪が乗っているのが厄介で、そのまま突っ込むと全身雪まみれになってしまうための迂回だ。

・標高450m峰でやっと傾斜が緩み、前方上空に送電線が見えた。このピークには送電鉄塔は無く、一つ南側の尾根に紅白に塗装された送電鉄塔が立っていた。ここは樹林が伐採されて展望がいい場所だが、周囲の山々はまだ雪雲が絡んでほとんど見えなかった。朝方は舞っていた雪はいつの間にか止んでいたが、未だ厚い雲に覆われたままだ。

・450m峰の先で島のように狭い範囲で杉の植林帯が出現し、ここだけ雪の潜り方が浅くなって楽になるが、すぐに自然林に切り替わって再びきついラッセルになってしまう。以降は山頂までブナを主体とした落葉樹林が続いた。

・少なくとも送電鉄塔直下までは目印は見た記憶が無いが、それ以降はピンクリボンの目印が目立った。雪面の低い位置に付いているものが多く、残雪期に付けられたものだろう。今年は積雪が多いのでもしかしたら埋もれている目印があるかもしれない。なお、今回はラッセルがきつい雪質で往路の自分の足跡が明瞭に残るので目印は不要だが、足跡が残ならい雪が締った残雪期には目印は利用価値がある。

・延々と足首から脛まで潜るラッセルが続いたので疲労が蓄積し、山頂まで無休憩で登るのは無理そうなので、標高差で半分を超えた標高780m付近の二重山稜の南側で冷たい北風を避けながら休憩。ここまで標高差約550mを3時間弱で登っているので、山頂までの標高差330mはあと2時間程度だろうか。天候は回復傾向らしく空が明るくなってきた。

・休憩を終えてなおもラッセル続行。二重山稜の谷間を登り、最後は左手の尾根に這い上がったが傾斜がきつく足元が崩れて難儀した。その後も部分的に傾斜がきつい個所が出現したが、概ね適度な傾斜の区間が多かった。

・標高が上がると枝に乗ったままの雪の量が明らかに増えてきた。昨日降った新雪は結構な量なのだろう。気温が下がってきた影響かエビのしっぽが目立つようになる。今はガスはかかっていないが、昨日は雪雲の中だったのだろう。

・標高1060m付近で尾根直上に岩のような物体を発見。これまで岩など1つも見ていないのでおかしいと思って近寄って確認すると、幹の途中から折れた枯れたブナの大木だった。高さ2,3mのところできれいに折れていたので岩のように見えたのだった。雪国らしくこの尾根は標高が上がった場所ではほぼブナの純林だった。これが春先の天気がいい日なら日当たりがいいので雪が締って歩きやすいだろうが、今は新雪の影響でラッセル続きだ。

・もう一段登って傾斜が緩んで山頂の一角に到着。それでもまだ登りが続くのでラッセルで進んでようやく最高地点に到着。GPSで確認したが間違いなく大高山山頂だ。見回してみたが山頂標識は見当たらず、1本のピンクリボンがあるだけだった。周囲は背の高いブナの囲まれて積雪期でも展望は悪かった。

・冷たい北寄りの風が吹き抜けるので、最高点より少し南東側に下った場所で雪面を整地して休憩。ラッセル続きだったので疲れた! 間違いなく北アルプスの鹿島槍や大天井岳、白馬岳日帰りよりも疲れた! 同じ5時間の歩きでも無雪期の登山道を歩くのと湿った新雪を歩くのでは体力の消耗度合いは大きく異なる。ついでにスノーシューは重いので靴底にトレーニング用の1kg強の重りを装着しているようなものだし。でも、今回の結果で左膝の現状は雪山でも十分耐えうることが分かって一安心。体力的な面はそれほど心配していなかったが、膝の捻りに耐えられるかが心配だった。スノーシューの場合、雪が柔らかく崩れやすい傾斜のある斜面を上り下りする際は、足をガニ股気味にして足跡が逆ハの字型になるよう歩くことがある。この時は膝に捻る方向の力がかかり、1ヵ月くらい前の状態では痛みで歩けなかったと思う。今はほぼ痛みが無いので今後は安心して雪山に登れるだろう。

・休憩を終えて下山開始。帰りは下りだし自分のトレースがあるので登りの苦労が嘘のような足の速さであった。急な下りはバックを使ったりして少し時間がかかったが、それでも往路所要時間である5時間に対して下りは1時間10分しかかからなかった。過去の経験でも雪山でここまでの時間差が付いたことは記憶になく、今回のラッセルの厳しさの象徴であろう。

・下っている途中から天候が回復して青空が見えるようになり、駐車場に戻る頃には道路上の雪が溶けるくらいに日差しがあって暖かかった。駐車場の車は私の1台だけで、雪の上のタイヤ痕からして他にやってきた車は無かったようだった。お寺の駐車場は2箇所ありここは遠い方の駐車場なので、お寺に用事がある人は近い方の駐車場を利用するのだろう。よほど車の台数が多くない限りは登山者がここを利用しても問題ないだろう。ちなみにお寺の関係者以外駐車禁止の看板は出ていなかった。

 

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